今日は新しい現場からです。
一昨年から準備をしていました、耐震改修工事が始まりました。
大規模な耐震改修工事は久しぶりになります。
当初、区長さんから耐震診断を相談されていました。
昭和42年の建物で、すでに50年以上経過しています。
地域で今も使い続けている集会場ですので、安全に使えるようにと耐震診断を行いました。
↓こちらが耐震診断の報告書です。
↓間取り図を作成して、壁の位置を確認します。
↓こちらは2階です。
ほかにも基礎の形状や屋根の仕上げ(瓦、板金など)も記していきます。
↓そして、建物の各階の縦方向と横方向の上部構造評点を確認します。
↓こちらは2階です。
この建物の上部構造評点は
1階(玄関から見て)横方向:0.09
1階(玄関から見て)縦方向:0.29
2階(玄関から見て)横方向:0.31
2階(玄関から見て)縦方向:0.58
と結果がでました。
↓報告書の中では一番最小の評点を記載します。
ちなみに評点は以下の4段間で分かれています。
1.5以上:倒壊しない
1.0~1.5未満:一応倒壊しない
0.7~1.0未満:倒壊する可能性がある
0.7未満:倒壊する可能性が高い
この「倒壊しない」は「数百年の1度程度起こる震度6強の地震」を基準にしています。
※近年は震度7クラスが多く発生しています。(熊本地震では震度7クラスが2回連続ありました)
今回は最小評点が0.09なので、数値的には悪い結果でした。
各市町村ではこの評点を一定基準まで上げる工事であれば、補助金が使えるようにもなっています。
しかし、この評点を上げる工事は費用も高く、どこまで建物の評点を上げるかを区長さん及び町内のみなさんと話し合いました。
評点が高い方がより安全になりますが、費用もかかります。
今回の建物では1階と2階では2階の方が構造的に強いことがわかりました。
1階の方が評点が低いです。
また、建物が総2階なので、この建物が大きな地震を受けた場合、1階部分が支えきれずにつぶれる可能性があります。
そこで、今回は1階部分を重点的に耐震改修することにしました。
↓こちらが1階の計画です。
↓こちらが2階です。
今回の計画は
1階(玄関から見て)横方向:0.09 ⇒ 0.54
1階(玄関から見て)縦方向:0.29 ⇒ 1.23
2階(玄関から見て)横方向:0.31 ⇒ 0.33
2階(玄関から見て)縦方向:0.58 ⇒ 0.70
と1階部分に耐力壁を増やして評点を上げる方法を提案させていただきました。
↓そんなわけで、足場組立が始まりました。
つづく。
第一建築業