今日は新築の現場からです。
第2501回:家づくりのコンセプト1~構造編(耐震等級)~
今回も構造編についてです。
弊社は2011年から地元の材木屋さんの紹介である勉強会に入っています。
M’s構造設計様が主催している構造塾です。
↓当時の資料です
手書きコメント色々ありますが、本当に勉強なって、メモしまくりました。
今まで多くのことを学ばせてもらっています。
その時から続けて確認しているのが、『直下率(ちょっかりつ)』です。
過去にも何度かブログで紹介させていただきました。
これは2階建て以上の住宅で1階と2階の柱の位置が合っている割合を示します。
力は上から下に伝わるので、2階の柱と1階の柱の位置ができるだけあっている方が力が確実に伝わります。
2階の柱に下に柱が無いと、力が分散して伝わるので、横架材(横に入っている材料)でたわみが発生しやすくなります。
この直下率ですが、木造住宅の場合はこの数値をいくつ以上にしなければいけないという建築基準法の規制はないんですね。
鉄骨やRCの場合は基本的に上下階の柱の位置は合っています。
↓これは直下率の重要性を示すデータです
建物の事故事例の割合と直下率の関係を示したグラフです。
直下率50%を境に直下率が低くなる(1階と2階の柱の位置が合ってない)と事故事例の割合が上がっています。
↓直下率別の事故物件の割合になります
10万棟あたりの事故物件の割合にすると直下率を上げれば上げるほど事故物件率は下がっています。
直下率30-40%:114件
直下率40-50%: 72件
直下率50-60%: 23件
直下率60-70%: 12件
直下率70-80%: 6件
直下率80-90%: 3件
10万棟に対しての事故物件数を多いと思うかは主観にもよりますが、事故が置きやすい建物であれば、近年の異常気象や災害が多い状況の中では建物が危険に晒された時には、この直下率の低さはマイナスに働くと考えています。
事故率を下げるためにもは直下率は50%以上を確保するように言われています。
ここ10年の弊社の平均直下率は68.9%(2020年時点)です。
↓構造塾で学んでからはこの柱のバランスは特に注意して設計しています
直下率は2色のペンがあれば、簡単に確認できます。
理想は100%にしたいのですが、使いにくい間取りにするのでは意味が無いので、
この数値をできるだけ高くなるようにしています。
↓最近はCADで計算もできるので便利になりました
つづく。
第一建築業